こんにちは!
今日はエビングハウスの忘却曲線にもとづいて、
英単語帳の効率的な覚え方のコツ
について書いていくよ!
エビングハウスの忘却曲線とは?
エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者エビングハウスが行った実験をもとに得られた、上の図の曲線のことを言う。
縦軸が節約率、横軸が時間であり、縦軸を忘却率のように考えている解説は誤りである。
節約率とは、1回目に記憶するのに要した時間に対し、2回目に要した時間はどれくらい短くなったかを表す比率である。
例えば、1回目に10分かかって覚えられたものが、2回目は4分で覚えられたとすると、2回目は1回目よりも6分短く覚えられているので、記憶するのに要した時間は、6分節約できていることになる。この場合、節約率は60%である。
図を見るとわかるが、エビングハウスの忘却曲線は、1回目に10分かかって覚えたものを2回目に覚え直すときには、2回目が20分後のときは4.2分、1時間後のときは5.6分、1日後のときは6.6分、6日後のときは7.5分、1ヶ月後のときは7.9分かかることを意味している。
言い換えれば、一度覚えた英単語を効率よく復習するには、間隔を空け過ぎずに復習するほうが、短い時間で覚え直すことができるということを意味している。
ちなみに、エビングハウスの忘却曲線は短期記憶についてのみ当てはまるものと考えられており、長期記憶には当てはまらない。
ところで、英単語を使えるものにするためには、短期記憶として覚えた英単語を長期記憶として定着させねばならない。そのためには、英単語を繰り返し復習する必要があるだろう。では、英単語を長期記憶として定着させるためには、どのような覚え方が効率的だろうか?
英単語帳の効率的な覚え方
結論を先に言ってしまうと、英単語帳を適切な数のブロックに分割し、1つのブロックが長期記憶に定着してから、次のブロックを覚える、ということを繰り返すのが効率的、あるいは時間節約的であると言える。
以下はその論証である。
(前提として、エビングハウスの忘却曲線が、2回目に記憶するときと、n回目に記憶するときで不変であるという仮定を置いている。)
1000語の英単語帳を1日で30語ずつ覚えていくとする。最初に覚えるときには、1語2分で覚えられ、30語で1時間かかると仮定しよう。その場合、一度最後まで覚えるには約1ヶ月、所要時間は約33時間かかることになる。その後で、最初に戻って30語ずつ復習するとすると、エビングハウスの忘却曲線によれば、最初に覚えた際の80%の時間をかけて覚え直すことになる。
この英単語帳の英単語をすべて長期記憶に定着させるのに、英単語帳を10周せねばならないと仮定しよう。その場合、エビングハウスの忘却曲線によれば、1周目は33時間、2周目は26時間、3周目は21時間、……、10周目は4時間となり、10周終えるまでに合計で147時間かかる計算になる。(計算は、高校数学の等比数列の考え方である。)
一方、1000語の英単語帳を90語ずつの約11のブロックに分割し、1ブロックの90語を長期記憶に定着させてから、次のブロックを覚えるという手順を考えてみよう。先と同様に、1日30語ずつ、最初は1語2分で覚えていき、各英単語が10周で長期記憶として定着すると仮定する。
まず、1ブロック目を1回覚えるのには3日、所要時間は3時間かかる。4日目に1ブロック目を復習するときは、節約率が約30%であるから、1回目の70%の時間をかけて覚え直すことになる。1ブロック目が長期記憶に定着するまでには10周しないといけないから、1周目は3時間、2周目は2.1時間、3周目は1.5時間、……、10周目は0.1時間となる。10周終えるまでに合計で10時間かかる計算になる。
同様の手順を11ブロック分行うことになるので、すべての英単語が長期記憶に定着するまでには、10時間×11=110時間となる。
英単語帳をブロックに分けずに覚えた場合は147時間かかる計算であったから、ブロックに分けた場合のほうが37時間短い時間で英単語を覚えられることがわかるであろう。
Q.D.E.
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